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昨年11月22日、大阪/ザ・フェニックスホールにて初演された拙作、
ESOPO NO FABVLAS 〜語りと木管五重奏による 天草版 伊曾保(イソップ)物語〜 Aesop's Fables in Amakusa-style for Narrator & Wind Quintet の、NHK-FMでの全国放送の日時が決定した、との一報が。 当初は番組放送時間の制限から部分の抜粋となると聞いていたが、なんと幸運なことに今年度から放送時間が延長されたそうで、「いそぽのふわぶらす」は全曲放送される、とのこと。 お蔭様で大好評だった本作初演の模様、なにぶんラジオなので狂言の表情や舞振が見て頂けない口惜しさはあるものの、音と言葉だけでも存分にお愉しみ頂ければ、と思っております。 お心付きの方は是非ご一聴の程を! NHK-FM ●番組名● 『吹奏楽の響き』〜「アルボラダ木管五重奏団 その2」 ●放送日時● 2012年5月20日(日)午前8時10分〜午前9時 再放送:5月26日(土)午後8時10分〜午後9時 ●出演● 語り(狂言):茂山童司 演奏:アルボラダ木管五重奏団 詳しくはコチラ ![]() 因みに、 この前週13日の同番組(再放送は19日)にて、 「アルボラダ木管五重奏団 その1」として、 同じ演奏会の前半部分の抜粋が放送されるので、 こちらも併せて是非! ![]() ![]() 関連記事: 「いそぽのふわぶらす」初演終了。 「いそぽのふわぶらす」初演迫る。 「いそぽのふわぶらす」インタビュー記事。 「いそぽのふわぶらす」完成、そして初演のお知らせ。 いそぽのふわぶらす。 ©HIRANO Ichiro 2012
差し迫った作曲はじめ、あれこれの委嘱新作構想や種々のプロジェクトに邁進しつつも、これでもかと吉凶入り交じる無数のアクシデントに翻弄され続ける今日この頃…
去る3月25日、丹波篠山での拙作精霊の海再演は、難曲をものの見事に自家薬籠中に納めた舘野泉&ヤンネ舘野の両氏による素晴らしい演奏のお蔭で、大成功。 会場を埋め尽くした満員の聴衆が、まるで虫の音や潮騒に耳を澄ませるように、森森と聴き入って下さるのがはっきりと判る、希有な体験であった。 当演奏会を支えられた皆様との素晴らしい出会いにも恵まれ、突風の中を歩くような最近の日常の中にも束の間の幸せ、という感じ。 作曲家自身としても、本作上演への三度目の臨席にして、何となく一段落、と感じることの出来る機会となった。(※次の再演は福島県南相馬市とのこと。詳しくはこちら。) というわけで、以下はその「精霊の海」初演に纏わる出来事を一つ。 相変わらずの季節外れ、暫しお許しを。 精霊の海作曲最中の昨年8月に訪れた浜村温泉。 ![]() 嘗ては名だたる温泉街であった浜村、少し寂れた風情、今はむしろそこが魅力。 小泉八雲がこの浜村温泉を訪れた、ということも、今では知る人ぞ知る、という感じになったようだ。 駅前の観光案内所でも、当方の尋ねに応じて親身に資料を探して下さったが、それでも記憶は薄いようだった。 その浜村温泉に唯一残る温泉宿、それが 旅風庵。 ![]() 浜村での八雲探索をひとしきり終え、 ![]() 地産の魚料理(※この刺身に合わせる地産の刺身醤油=再仕込醤油、青谷・山崎醸造本舗のイナサ醤油がまた最高…)と良質の温泉をしっかり愉しんだ、その翌朝… 階段の踊場をふとみると、小泉八雲の曾孫で民俗学者の小泉凡さん直筆による、あの日本海に沿うての一文が。 ![]() これはと心付き、思い切って旅風庵のご主人にお話を伺うと、 「八雲の頃と変わらず、今でも夜の静寂になると、ここまで潮騒が轟いて来ます」 ひとかたならぬ八雲への敬愛が端々に滲み出る、素敵なお話を聴く事が出来た。 お蔭で、当方の浜村での八雲探索にも、ほんのり人の心が沁み渡った。 さて「精霊の海」初演の当日、東京文化会館へとお祝いの立派なお花が届けられた、との事。 訊くと送り主は、他ならぬ、浜村温泉・旅風庵。 作品誕生のその日に、作品の故郷からのハナムケ、庵主の心あるお計らい。 かつて旅の異人を歓待し、夏の一夜を永遠に刻んだ、古き佳き温泉街の心意気。 浜村温泉にはその心が、八雲の昔より今に繋がっているのだ、と、縷々想いを馳せた次第。 ![]() 関連記事: 八雲三景 加賀の潜戸 その2 ラフカディオ・ハーンの見た夢 「精霊の海」初演終了、そして・・・ 「精霊の海」再演のお知らせ。 「精霊の海」再演終了、そして・・・
ヤンネ舘野氏(Vn)&舘野泉氏(Pf)のための拙作、
SEIREI NO UMI -Duo for Violin & Left-Hand Piano- 〜小泉八雲(ラフカヂオ・ヘルン)の夢に拠る〜 ~Based on Lafcadio HEARN'S Dream~ [舘野泉「左手の文庫」(募金)助成・委嘱作品/ヤンネ舘野&舘野泉両氏に] が以下の公演において再演されますので、未聴の方は是非お運びを! ◆舘野泉 ピアノ・リサイタル 〜ヤンネ舘野とともに〜◆ [曲目] J.S.バッハ: シャコンヌ(ブラームス編曲) J.S.BACH:Chaconne BWV.1004 (arr. by BRAHMS) 平野一郎: 精霊の海 ~小泉八雲の夢に拠る~ (ヤンネ舘野&舘野泉両氏に:「舘野泉左手の文庫(募金)」助成・委嘱作品) HIRANO Ichiro: SEIREI NO UMI ~Based on Lafcadio HEARN's Dream~ (à Janne TATENO & TATENO Izumi: Comissioned work) パブロ・エスカンデ: 音の描写(舘野泉と平原あゆみに捧ぐ) 三手連弾/共演・平原あゆみ 谷川 賢作: スケッチ・オブ・ジャズ2 舘野泉&ヤンネ舘野に捧げる (「舘野泉左手の文庫(募金)助成作品) Kensaku Tanikawa: Sketch of jazz 2 (Dedicated to Izumi Tateno & Janne Tateno) 吉松隆: タピオラ幻景(舘野泉に捧ぐ) Takashi Yoshimatsu: Tapiola Visions Op.92 (à Izumi TATENO) ほか [日時] 2012年3月17日(土)15時開演 3:00 p.m. Saturday, March 17 [場所] 愛知県/豊田市コンサートホール Toyota City Concert Hall [出演] 舘野泉 Izumi Tateno (ピアノ / Piano) ヤンネ舘野 Janne Tateno (ヴァイオリン / Violin) 平原あゆみ Ayumi Hirahara (ピアノ / Piano) [お問い合わせ] 豊田市コンサートホール事務所(豊田参合館8階) TEL(0565)35-8200 [チケット] 全席自由 一般 3000円 学生半額 ※未就学児童入場不可 * * * ◆舘野泉・ヤンネ舘野 父子コンサート◆ [曲目] J.S.バッハ: シャコンヌ(ブラームス編曲) J.S.BACH:Chaconne BWV.1004 (arr. by BRAHMS) スクリャービン: 左手のための2つの小品 Op.9 A.SCRIABIN:Two Pieces for Left-Hand 平野一郎: 精霊の海 ~小泉八雲の夢に拠る~ (ヤンネ舘野&舘野泉両氏に:「舘野泉左手の文庫(募金)」助成・委嘱作品) HIRANO Ichiro: SEIREI NO UMI ~Based on Lafcadio HEARN's Dream~ (à Janne TATENO & TATENO Izumi: Comissioned work) パブロ・エスカンデ: 音の描写(舘野泉と平原あゆみに捧ぐ) 三手連弾/共演・平原あゆみ 谷川 賢作: スケッチ・オブ・ジャズ2 舘野泉&ヤンネ舘野に捧げる (「舘野泉左手の文庫(募金)助成作品) Kensaku Tanikawa: Sketch of jazz 2 (Dedicated to Izumi Tateno & Janne Tateno) 吉松隆: タピオラ幻景(舘野泉に捧ぐ) Takashi Yoshimatsu: Tapiola Visions Op.92 (à Izumi TATENO) ほか [日時] 2012年3月25日(日)14時開演 2:00 p.m. Sunday, March 25 [場所] 兵庫県/篠山市立 たんば田園交響ホール Tanba-Denen Symphony Hall [出演] 舘野泉 Izumi Tateno (ピアノ / Piano) ヤンネ舘野 Janne Tateno (ヴァイオリン / Violin) 平原あゆみ Ayumi Hirahara (ピアノ / Piano) [お問い合わせ] ゴーシュの会(加藤) TEL: 079-552-6848 たんば田園交響ホール TEL: 079-552-3600 [チケット] 全席自由 一般 3000円(当日3500円) 高校生以下 1000円 友の会・10名以上の団体 2500円 [プレイガイド(一部)] ローソンチケット 0570-084-005 (Lコード52329) ![]() ![]() 関連記事: 八雲三景 加賀の潜戸 その2 ラフカディオ・ハーンの見た夢 「精霊の海」初演終了、そして・・・ 「精霊の海」再演のお知らせ。 「精霊の海」再演終了、そして・・・
先日来お知らせ済の、
デュオ・リサイタル 〜新たなる大樹へ〜 のツアーが昨19日の札幌公演をもって無事終了、 ヤンネ舘野氏(Vn)&舘野泉氏(Pf)のための拙作、 SEIREI NO UMI -Duo for Violin & Left-Hand Piano- 〜小泉八雲(ラフカヂオ・ヘルン)の夢に拠る〜 ~Based on Lafcadio HEARN'S Dream~ [舘野泉「左手の文庫」(募金)助成・委嘱作品/ヤンネ舘野&舘野泉両氏に] も無事再演を果たした模様。 当方は、2月17日大阪イシハラホールでの公演に、ご招待頂いた。 昨年12月の東京文化会館小ホールでの初演は、広い会場の豊かな残響の中、一筆書きのような一気呵成の素晴らしい熱演であった。 この度の再演では、ほどよく纏まったイシハラホールの空間の中、ピアノとヴァイオリンの密やかな対話に、じっくりと耳を澄ますことが出来た。 何よりこの2ヶ月の間に、ヤンネ舘野さん&舘野泉さんによって、早くも熟成をはじめた作品への手応えをいっそう深めることとなった。 演奏後、これまで拙作に親しんだ方々からは勿論、このたび拙作にはじめて触れたという幾人もの皆様から、一方ならず熱い反応を頂いた。 中でも、ヴァイオリンとピアノという極めて"西洋的"な媒体から如何にして能に通ずる幽玄が醸されるのかという驚きや、龍神跋扈する"厳島"舞楽への連想など、当方の言葉(プログラムノート)に全く捕われない自発的・積極的な感想を頂いたことこそ、むしろ、我が意を得たり、という感じ。 加えて、ヤンネさんは勿論、邪宗門を通じて当方とヤンネさんの縁を結んで下さったヴァイオリニスト・佐藤一紀さんの大師匠、敬愛する長岡京アンサンブル主宰の森悠子先生に再会、畏れ多くも拙作への絶賛の言葉を頂いた事も、思いがけず、貴い歓び。 初演の折には、ちょうど隣席になった同業の大先達・末吉保雄さんから「素晴らしい作品でした。このファンタジーと持続はタダゴトではない。」と、また同日初演曲の作曲者でジャズピアニストの谷川賢作さんからも、心に響く賛辞を頂いた。 またある方からは「私はこれまで長い間、舘野泉先生の演奏に魅せられ、聴き続けて来ました。この度は泉先生の足跡に相応しい作品、本当に有り難うございました。」と、ちょっと身に余るご感想もあった。 こうした玄人筋や耳の肥えた方々からのご高評は別としても… 若輩ながらそれなりには経験を重ねつつある当方、尋常ではない息の長さ(!)の此作=その繊細極まる機微・音魄と陰翳深い紆余曲折、只管お気軽な"エンターテインメント"を求める浅い耳が甘くも取り逃すであろうことは、容易に想像がつく。 しかし言うまでもなく、音の全ては"Es muss sein! "(こうでなくてはならない!)…いとも当然の事としてそれを受け入れ、ほとんど快楽(けらく)の域で表現し尽くすお二人の演奏に、思いのほか多くの耳と心が真に開いて、作品の奥を自由に感受感得して下さっていることに、深く励まされた。 そして大阪公演の後、素敵な隠れ家のような料理店での打ち上げに向かう途中、決して多弁を労されない舘野泉さんから、しみじみとした口調で語られた「この曲が好きでねえ…」という拙作への慈しみに溢れた言葉も、忘れ難い。 あらためて作曲家とその活動などというものは、文字通り心身を砕きつつ作品世界を体現する演奏家のお蔭で、存続することが出来るものだと実感… ついついその感謝を忘れがちになる常日頃の我が身を省みた次第。 こうして無事、初演からの一連の旅を終えた〈精霊の海〉、 すでにご存知の皆様もお出でと思いますが・・・ (続) ![]() 関連記事: 八雲三景 加賀の潜戸 その2 ラフカディオ・ハーンの見た夢 「精霊の海」初演終了、そして・・・ 「精霊の海」再演のお知らせ。
●「精霊の海」再演のお知らせ
先月初演のチェロ&ピアノ作品、 TARACHINE NO UTA -for V'Cello & Piano- 〜丹後地方の子守唄に由る〜 ~Based on Lullabys from Tango District~ の初演の録音が、天野武子さんから届いた。 早速流してみると、天野さんの慈しみに溢れたチェロの"歌"、それを包む柔らかい夢の被膜のような加藤美緒子さんのピアノの妙なる響きが、崩壊寸前のわが狭小アトリエに染み渡り・・・目を瞑って束の間の現実逃避。 ![]() ↑「地震が来ませんように・・・」と何やらボソボソ唱えながら、友人のデザイナーS女史がおそるおそる撮影した、我が哀しきアトリエの様子。写真は歪んでおりません。 こうして無事、産み落とされた「たらちねのうた」。 送り出して下さった天野さんも、これから様々な機会に再演を重ね、育てていって下さるとの由。 忘れられた子守唄から産まれたこの作品が、天野さんをはじめとする、まずは女性チェリストの方々の大切なレパートリーとなって、ゆっくり確かに歌い継がれてゆくことを、望むばかり。 と思っていたら、早速思わぬ形で"再演"の報が。 土曜クラシックサロン チェロと共に生きてⅢ "チェロで奏でる子守歌" 〜チェリスト:天野武子〜 ●日時● 2月18日 14:00〜 ●場所● NHK文化センター 名古屋教室 ●受講料● 会員4620円 一般5040円 詳しくはこちら 様々な子守唄のチェロによる演奏の最後に「たらちねのうた」再演の模様。 お近くの方、お心付きの方は是非お運びを! 関連記事: 「たらちねのうた」初演終了。 「たらちねのうた」完成、そして初演のお知らせ。
●「精霊の海」再演のお知らせ
1月も残すところあと1日、 またも旧正月目前に遅ればせながら・・・ 本年元旦、播磨國はその名も平野・祇園社に初詣、の話題を一つ。 一風変わった平家落人伝説に由来する当方の姓、それと同名の地に縁を感じて、 ここへの来訪は、実はニ度目。 ![]() ああ祇園?どうせ京の八坂サンの分祠だろう などとゆめゆめ侮ること勿れ。 こちらの祇園社、実は、京の八坂社よりも古い神社である、とも謂うのだ。 当社曰く・・・ 時は貞観11(869)年、平安京の疫病祓いに、播州姫路は広峯社の牛頭天王(もしくは素戔嗚尊)を、京都の北白川・東光寺に分祀することとなった・・・姫路から京へと向かう途中、広峯社由縁の寺で修行した当地の高僧の案内で神輿一行が此の地に一泊、そこに祠を建てたのが始り・・・その後北白川の素戔嗚尊は、東光寺から八坂の地に遷った ・・・とのこと。 もっとも、京の八坂サンの方では、祇園信仰の本拠を播州広峯社とする説を頑として肯わず、とのことだが・・・。 更に当社曰く、各地の祗園社に共通するこのキュウリによく似た五木瓜の紋、"他"では夏祭りにキュウリを食べないという風習があるが、ここでは食べても良いが斜め切りにして紋の形を崩す、のだそうな。 ![]() そんな謂れに溢れた"平野の祇園さん"を後にして、 山手の路地をぐるりと回ると出てくるのが、 その名も、清水観音堂跡。 ![]() ここでは“きよみず“ではなく“しみず”と訓ずるらしい。 そこから更に坂を下ると、見事に奇妙な六叉路に出くわす。 その名はなんと、六道の辻。 ![]() そこで空也上人に現を抜かす当方が即座に連想するのは勿論、京都・六波羅の六道の辻。 ![]() そういえば、京のそれも清水坂を下ると程なく行き着く、六道珍皇寺から六波羅蜜寺に掛けての、妖気漂う一帯であった。 ![]() 戻って再び神戸・平野の六道の辻、 こちらは妖気こそ漂わないが、むしろ文字通りに六つの道が見事に交差する衢。 ![]() 以前訪れた時に地元の古老と思しき人を捉まえて、 「これはやはり京都の六道の辻と関係があるのでしょうか」と尋ねてみたら、 「いや知らんけど?関係ないんちゃいます?(いちいち京都などと引き比べられるのはいささか心外)」という感じであった。 そう言われても・・・ 祗園、清水、六道の辻、とくれば、 これはもう平家物語にも名高き幻の都、福原京に立ち顕われた、平安京の生霊そのもの。 (悪)名高き"福原遷都"の前に、まず祗園社の存在があり、そこを端緒にもう一つの平安京を形作った、平家が公達の愛憎一体の追憶と夢想が生んだ街並なのでは、などと想像を巡らせたくなる。 治承4(1180)年かの清盛公は、この祇園社の裏山にあった潮音山上伽寺にて、経ヶ嶋築上の案を練った、とも謂う(祇園社伝)のだから。 とまあ事の真偽はともかくとして・・・ 清盛の福原遷都を巡る諸々はじめ、 祇園社の本山騒動といい、 安倍清明VS蘆屋道満の陰陽合戦といい、 はた流された虚舟(ウツロブネ)の来方(太秦)と行方(播磨灘)といい、 播磨と山城の間には、疫病神やら陰陽師やらが跋扈往来する、何やらキナ臭い因縁が、遥か古代から渦巻いている、とますますもって興味津々・・・ などと思いつつ、 祇園社謹製と覚しき蘇民将来の、六道ならぬ六角の縁起物を携えて、2012年の初詣は無事終了したのであった。 ![]()
●「精霊の海」再演のお知らせ
去る日曜日(2012年1月22日)、 チェロとピアノのための委嘱新作、 TARACHINE NO UTA -for V'Cello & Piano- 〜丹後地方の子守唄に由る〜 ~Based on Lullabys from Tango District~ の初演が、2012年1月22日、名古屋・宗次ホールでの チェロと共に生きて -天野武子チェロ・リサイタル- において、無事終了した。 リサイタルは、バッハの無伴奏組曲第1番からアンコールの"鳥の歌"に至るまで、チェロを通しての天野さんの永の営みが、曲節のあらゆる襞に影し出される、印象深い演奏会。 天野さんの歩みを辿るようなプログラム、その中程で演奏された委嘱新作「たらちねのうた」。 委嘱者/初演者である天野武子さんは、愛知県立芸術大学教授として数々の若き音楽家を育ててこられた、いわば"チェリストの母"。 天野さんの慈しみに溢れたチェロの"歌"を、共演者・加藤美緒子さんのピアノが柔らかい夢の被膜のように優しく包み込む、素敵な初演となった。 素晴らしい演奏を得て、今や忘れられようとしていた子守唄とその内界が、満場の聴衆に伝わり染み通っていく様を実感したことは、作曲者としても冥利の限り。 終演後、当方も様々な方から拙作への賛辞と祝福の声を掛けて頂いた。 なかでもある方がおっしゃった「音楽家でない爺婆も、この曲を聴いたら、ああ懐かしい、と感じるに違いない!」というのが、当方にとっては最も面白く、我が意を得たり、というご感想。 こうして無事、世に産み落とされた「たらちねのうた」。 送り出して下さった天野さんも、これから様々な機会に再演を重ね、育てていって下さるとの由。 忘れられた子守唄から産まれたこの作品が、天野さんをはじめとする、まずは女性チェリストの方々の大切なレパートリーとなって、ゆっくり確かに歌い継がれてゆくことを、望むばかり。 ところで・・・遡る事ひと月余り、 新作「たらちねのうた」の故郷をどうしても踏み巡りたい!とおっしゃる天野武子さんを、丹後地方の各所へとご案内した。 ご案内の当日は、生憎、というべきか、有難い事に、というべきか、雪起こしの遠雷轟く当地の初雪。 厚い灰雲に覆われた冬空、 ![]() 急激な冷え込みに、日本海にも珍しい程の、凄まじい海霧が立ちこめる。 こんな日の夕掛かりに、丹後一宮・籠(コノ)神社から山合の傘松公園へとケーブルで上がる人は、流石にまばら・・・ しかしこんな日こそ、天橋立の神秘な姿が顕われるはず、と信じて展望台へ上がってみると、 ![]() はじめは雪風にすっかり覆われていた視界が、 ![]() 次第次第に薄明るくなり、 ![]() ついには梯の全貌が顕われたばかりか、 ![]() 何と陽光までが雲の合間から差し始め、 ![]() いつしか長閑な小春日和。 ![]() こんな奇蹟も流石は原初の太陽神、 ![]() 天照国照彦火明櫛玉饒速日命の神威に違いない、天野さんと「たらちねのうた」は、丹後ニ坐ス神々の祝福を受けたのだ! ・・・と突如信心を深くし、俄スピリチュアリストの二礼二拍一礼にも、しっかりと力が籠った、という次第。
●「たらちねのうた」初演のお知らせ
去る12月11日、 たくさんの祝福を受けつつ無事誕生した、 ヤンネ舘野氏(Vn)&舘野泉氏(Pf)のための新作、 SEIREI NO UMI -Duo for Violin & Left-Hand Piano- 〜小泉八雲(ラフカヂオ・ヘルン)の夢に拠る〜 ~Based on Lafcadio HEARN'S Dream~ [舘野泉「左手の文庫」(募金)助成・委嘱作品/ヤンネ舘野&舘野泉両氏に] が各地で再演されますので、そのお知らせまで。 お心付きの皆様は、最寄りの会場に、ぜひぜひお運びの程を。 ヤンネ舘野&舘野泉 デュオ・リサイタル 〜新たなる大樹へ〜 〈福岡公演〉 2012年2月16日(木)午後7時開演 あいれふホール 主催: 福岡音楽文化協会 後援: 福岡市/福岡市教育委員会/(財)福岡市文化芸術振興財団 朝日新聞社/毎日新聞社/読売新聞社/舘野泉ファンクラブ九州 お問合わせ: 福岡音楽文化協会092-414-8306 チケット予約: 福岡音楽文化協会092-414-8306 チケットぴあ0570-02-9999[Pコード150-487] ローソンチケット0570-084-005[Lコード82381] 〈大阪公演〉 2012年2月17日(金)午後7時開演 イシハラホール 主催: 舘野泉ファンクラブ関西/大阪アーティスト協会 お問合せ: 大阪アーティスト協会06-6135-0503 チケット予約: 大阪アーティスト協会06-6135-0503 チケットぴあ0570-02-9999[Pコード153-037] ローソンチケット0570-084-005[Lコード54661] 〈札幌公演〉 2012年2月19日(日)午後1時30分開演 札幌コンサートホール(小ホール) 主催: オフィス・ワン 後援: 在札幌フィンランド名誉領事館 北海道フィンランド協会/舘野泉ファンクラブ北海道 お問合せ: オフィス・ワン011-612-8696 チケット予約: オフィス・ワン011-612-8696 チケットぴあ0570-02-9999[Pコード150-016] ローソンチケット0570-084-005[Lコード17449] いずれの公演も残りわずかとなりつつある模様ですので、チケットご入手はお早めに! ↓こちらは大阪公演のチラシ ![]() ![]() 関連記事: 八雲三景 加賀の潜戸 その2 ラフカディオ・ハーンの見た夢 「精霊の海」初演終了、そして・・・
●「たらちねのうた」初演のお知らせ
去る12月11日、 ヤンネ舘野氏(Vn)&舘野泉氏(Pf)のための新作、 SEIREI NO UMI -Duo for Violin & Left-Hand Piano- 〜小泉八雲(ラフカヂオ・ヘルン)の夢に拠る〜 ~Based on Lafcadio HEARN'S Dream~ [舘野泉「左手の文庫」(募金)助成/委嘱作品] の初演が、無事終了した。 ![]() ヤンネ舘野さん&舘野泉さんのお二人から、滔々と紡ぎ出される"海"の響き。 会場の東京文化会館・リサイタルホール満員のお客さんは、 実に26分(!)に亘るその大きな持続を、一瞬たりとも途切れる事無く、 最後の微けき一音に到るまで、文字通り息を潜めて森森と聴き入って下さった。 初演の前日、 リハーサルに立ち会うべくお邪魔した、 東京郊外の閑静な住宅街に佇む舘野邸。 シャガールの絵画が凝視める居室にて、 泉さんの指先から〈精霊の海〉の最初の雫が零れた時、 まさに電流が流れるように、鮮やかに、その世界が姿を顕した瞬間が、忘れられない。 書いた本人が言うのも烏滸がましいが、 左手ピアノの書法としては一つの極限と言って良いこの恐るべき難曲を、 超多忙のスケジュールのなか一体どのようにして手の内に納めて行かれたのか、 それはもう完全に魔法の域で、当方の想像を遥かに越えている。 そしてヤンネ舘野さんの、大らかで温かく、絹のように繊細にして、その根に底知れぬ強さを湛えたヴァイオリン! 〈精霊の海〉の冒頭、ピアノの雫が惹き起こした波紋の裡から、 精霊の吐息のように浮かび上がるヴァイオリンの最初の音を聴いた時、 それは間違いなく、泉さんから受け継がれた魂である、ということを確信した。 このお二人のデュオのための最初の作品の一つとして〈精霊の海〉が産まれたこと、 八雲の夢に端を発したその無数の縁を、作曲者として束ね、結び、繋ぐことが出来たのは、冥利に尽きる。 ![]() 多くの祝福を受けながら、 こうして無事誕生した〈精霊の海〉であるが、 終演後の一席にてヤンネ氏が皆と私に語ってくれた様に、 勿論これが終点ではなく、ここからその新しい旅の始まり・・・ 関連記事: 八雲三景 加賀の潜戸 その2 ラフカディオ・ハーンの見た夢 ![]()
●「精霊の海」初演のお知らせ
●「たらちねのうた」初演のお知らせ ヤンネ舘野氏(Vn)&舘野泉氏(Pf)のための新作、 SEIREI NO UMI -Duo for Violin & Left-Hand Piano- 〜小泉八雲(ラフカヂオ・ヘルン)の夢に拠る〜 ~Based on Lafcadio HEARN'S Dream~ [舘野泉「左手の文庫」(募金)助成/委嘱作品] の初演が、いよいよ明日11日に迫った。 前売の販売は終了した模様だが、 若干の当日券は出る模様なので、 聴いてみよう!という方は、 ぜひ会場へお運びの程を。 ![]() ![]() 公演の詳細はコチラ * * * 精霊の海 プログラム・ノート 夏は盆、精霊舟(しょうりょうぶね)の頃、出雲から東へと海に沿う旅の終わり、浜村温泉の海辺の宿で八雲が見た、一夜の夢の素描(スケッチ)。 薄日射す石畳に立つ、謎めいた女の影...そうだ、出雲の女だ...その唇を伝って古より届く物哀しい声...呼び起こされるケルトの子守唄の記憶...女の長い黒髪は渦を巻き、青い飛沫を散らし波立つ...そのうねりが遥か彼方に遠のくや、女の影はふと消える...残ったのはただ一面の大海原...静寂にゆっくり砕ける青い波頭が、天空の果てまで煌めいている...宵闇のなか夢から醒めた“私”の耳には、現世(うつしよ)の海の轟きが聴こえる。佛海(ほとけうみ)の引潮に乗って沖へと還りゆく精霊たちの、そのざわめきが...。【大略】 去る1月拙作モノオペラ〈邪宗門〉終演後の一席で、ソロコンサートマスターをみごと務めて下さったヤンネ舘野氏から、慎み深く言葉を選びつつ「ヴァイオリンと左手ピアノの新作デュオを...」との打診を頂いた時、なぜか以前から心に留まるこの一節が浮かんできた。 四方を波に洗われる我が風土は、死せる魂を鎮め還す“ 精霊流し”に象徴されるように、常に海への祈りと共にあった。 “稲村の火”の伝説を通じてTSUNAMIという言葉を世界に伝えた八雲は、猛烈な近代化の世にあってその流れに抗いつつ、海を畏れ尊ぶ日本の民の心根に、驚くほど鋭く深く共振した人。 海と歌を縁としてケルトと出雲が不思議に融け合うこの文章は、我々が忘れかけた何かを(今こそ)強く、生々しく喚起する。 〈精霊(せいれい)の海〉は、私が深く魅せられている音楽家=ヤンネ舘野&舘野泉両氏に導かれて産まれた二重奏曲。 同時に、我が風土を終の棲処とした小泉八雲への、後代からのささやかな返礼でもある。 曲は連続する 13 の場面(Scene)から成る。 時折現れるヴァイオリン/ピアノそれぞれのモノローグが、途切れそうになる音楽を繋ぎ留め、沈黙する他方へとはたらきかけては、新たな物語を紡ぎ出してゆく。 Scene 1° 佛海(ホトケウミ)・序 Hotoke-Umi・Introduction Scene 2° 面影(オモカゲ)I [ヴァイオリン独奏] Glimpse I [Violin-Monologue] Scene 3° 地上の対話 Dialogue on the Earth Scene 4° 子守唄I Lullaby I Scene 5° 映世(ウツシヨ)I Vision I Scene 6° 秘儀 [ピアノ独奏] Hidden Ritual [Piano-Monologue] Scene 7° 水底の対話 Dialogue under the Sea Scene 8° 渦濤(ウズナミ)・子守唄II Spiral Waves・Lullaby II Scene 9° 映世II Vision II Scene 10° 面影II [ヴァイオリン独奏] Glimpse II [Violin-Monologue] Scene 11° 天空の対話 Dialogue at the Sky Scene 12° 子守唄III Lullaby III Scene 13° 佛海・畢 Hotoke-Umi・Extroduction ![]() ©HIRANO Ichiro 2011 関連記事: 八雲三景 加賀の潜戸 その2 ラフカディオ・ハーンの見た夢
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