京都在住の詩人・ひらのりょうこ氏と写真家・豆塚猛氏による、文と写真のギャラリー、
未開紅
-明日を担う京の33人-
が、京都・祇園の「ぎゃらりい西利」にて、現在開催されている。
「京都民報」紙上に1年にわたって連載されたインタビュー記事の文と写真が場所と形を変えて、一堂に会する、というもの。
登場するのは、歌舞伎役者の片岡愛之助氏、狂言師の茂山逸平氏をはじめ、染織家、舞台女優、能楽師、人形作家、パティシエ、和菓子職人、風呂敷デザイナー、とある作曲家(…)などなど、京都を拠点に活動する33人の“若者”。
タイトルの“未開紅(みかいこう)”とは、紅梅の名で、いままさに開花せんとする花の馥郁たる香りを意味する、とのこと。
古都・京都でしかあり得ない、これらの多彩な分野の面々の素顔が、温かくも透き通ったひらのりょうこ氏の筆と、瞬間の表情の閃きをとどめる豆塚氏の写真によって捉えられていく。
昨年3月同記事の取材の折、通りいっぺんのインタビューとは一線を画したひらのりょうこ氏の、詩人ならではの言葉の“産婆術”のせいか、私もまた、普段は決して語り得ない内容を見事に引き出されたようで・・・。
ひとりひとりの写真を観、じっくりと文を読んでいくうち、
伝統と創造の狭間で模索しつつ、それぞれに何かを開花させつつある、
ほぼ同世代の、しかしまったく異分野の面々を密かに繋ぐ、時代の糸の様なものが感じられた。
この不思議なギャラリー、
よろしければ是非お運びを。
●場所●
京都市東山区四条通祇園町南側
京つけもの西利祇園店3階
「ぎゃらりい西利」075-525-5111
●期間●
2009年4月15日(水)〜4月21日(火)
11:00〜19:00(金曜〜20:00、最終日〜16:00)
©HIRANO Ichiro 2009