昨日8月9日、大阪府岸和田市・自泉会館での
◆吉川真澄&佐藤紀雄 デュオ・コンサート◆
におきまして、拙作
春の歌
FRÜHLINGSLIED
女声独唱の為の
für eine Frauenstimme
夏の歌
SOMMERLIED
女声独唱の為の
für eine Frauenstimme
上演、無事終了致しました。
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台風接近の最中、京都から岸和田へ向かう車中では、止む事なく降り続く大雨に、どうなることかと心配しましたが、演奏会が始まる頃にはすっかり雨が上がり、その後もまるで何事もなかったかのように、つつがなく終演…狐にツママレタような一日でした。
昼・夜の両公演とも、ほぼ満員のお客様。
前半はギタリスト・佐藤紀雄氏、後半はジャズピアニスト・MOMOさんと、個性際立つ共演者を得て、ソプラノ歌手・吉川真澄氏の多面的な魅力が繰り広げられました。
当方も、吉川氏の声は言うまでもなく、衒いのない佐藤氏のギターの響きの奥に、強靭な自由と不屈の精神を勝手に嗅ぎ取ったり、かつての"敵国"アメリカへの痛烈なアイロニーに彩られた林光氏の秘曲「アメリカ・アメリカ」が、MOMOさんのピアノを得て今に蘇る様に昂奮したりと、メ一杯愉しませて頂きました。
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前半の最後に演奏された拙作
夏の歌は、歌い手に呼吸の端々まで極限の表現を強いるラディカルな作品。初めて接するお客様にその心がどのくらい届くのか一抹の不安があったのですが、吉川氏の声を依代にして、その音霊が会場に沁み渡るように伝わっていく様子を実感する、不思議なひとときでした。
アンコールの一曲目に演奏された
春の歌、こちらはこちらで歌い手に文字通りの全身運動を強いる難曲ですが、お客様には、目紛しく変わる生き生きとした表情を、寛いだ気分で屈託なく愉しんで頂いたようです。
終演後たくさんの皆様から温かいお言葉を頂き、大いに励まされました。
素晴らしい演奏者お三方は勿論のこと、公演を支える「育てる会」の皆様、台風の中あきらめずにお越し下さった皆さんに、当方からも篤く感謝申し上げます。
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春の歌、
夏の歌とも、この夏から秋にかけ、様々な場所で上演される模様。
引き続く新たなる展開も合わせ、折々ご案内させて頂きますので、どうぞお愉しみに!
終演後、岸和田の街には、はや祭の予感が…