ようやくご報告出来ます!
去る某日、この年明けより一所懸命に取り組んでおりました委嘱新作、
八幡大縁起
HACHIMAN-DAI-ENGI
〜四人の独唱、混声合唱とオーケストラによる民俗誌〜
-Ethnography by 4 Vocal-Soloists, Mixed-Chorus and Orchestra-
(2015)
が完成、そしてその初演が内定致しました。
この作品は2010年1月24日、京都府
八幡(ヤワタ)市にて開催された、
やわた市民音楽祭
のための委嘱オーケストラ曲
八幡縁起をベースに作曲したもの。
その声楽入り拡大版の構想は、実は
原曲創作の当初から孕んでおりました。
完売・満員御礼で大きな反響を頂いた
八幡縁起初演の後、途方もない続編の計画を主要な方々と語らいはじめ、それがじわじわ浸み広がって、様々な方面の理解と協力を得、ほぼ3年後に正式な委嘱を受け、今こうして完成し、ついに初演への道筋がついたという次第。
八幡縁起の中に隠されていた歌と言葉を4人の独唱と混声合唱によって顕わにすると共に、原曲の由来を解き明かしつつその流れを中断・浸食・歪曲し遂には簒奪するに至る新たな音楽を挿入、九州から東北へと日本列島を縦断する八幡神=八幡大菩薩の壮大な縁起世界を、50分に迫る持続の内に生き生きと蘇らせようという企て。
"民俗誌"なる言葉の通り、2008年以来継続してきた、日本列島各地の"八幡"に関わる祭礼・神事・芸能についての、作曲者自身の踏査に基づく作品でもあります。
この度の
八幡大縁起(ハチマンダイエンギ)は、全ての人に開かれたプロジェクトとなる予定。
様々な過去を背負った私たちの先人たちが、その存亡をかけて克ち取った多面・多層・多様極まる日本列島文化、そしてその愛憎もつれるエネルギーを一身に宿した八幡神=八幡大菩薩。
新作・
八幡大縁起は、日本最強・最大にして馴染み深くも恐(畏)ろしいこの神/佛の来し方を辿る、借り物ではない、私たち自身のルーツ探求・ルート追跡の音の旅です。
"「日本人」としてのアイデンティティの再認識"といったありきたりのお題目に留まらぬ、烈しい体験の深みへと踏み込んで、一人でも多くの皆さんと共に、文字通り全身全霊で表現する生命の歓びを舞台上で共有したい、と心より願っております。
作品について、初演の日時場所、演奏者の情報はもちろん、プロジェクトへの参加方法や練習の過程等々…当ブログでも逐一ご案内させて頂きます。
ぜひご注目下さい!
©HIRANO Ichiro 2015