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常波寄する春の渚。
まれびとの訪れと鄙の宴。 厳かな行列と魂鎮めの儀式。 謎の咒言に封じ籠められた伝説。 丹後半島北端部、伊根町本庄・宇良(浦嶋)神社の春祭「延年祭」には、「戊亥の歌」という不思議な祝言が秘伝されている。 私は、此の地の伝承と「戊亥の歌」に触発され、謎めいた唱え詞に秘められた物語を辿ろうとした。 (2003年11月初演時プログラムノートより) 戊亥の歌は、魔性の歌である。 聴いた者みな魅了され、翻弄され、いつしか虜となってしまう歌。 この謎の歌に、初めて私が出会ったのは、1999年のこと。 初めて耳にした瞬間から、私の中では、様々な物語の断片が浮かんでは消えた。 浦嶋神社宮司の宮嶋淑久氏は、この旋律と歌詞の中に、「戊亥の隅」信仰や祝言としての性格を踏まえた上で、鎮魂儀礼の意味をも見出しておられた。 探検家の高橋大輔氏もまた、破天荒かつ魅力的な独自の解読をその著書の中で展開されている。 私はというと、これまた全く似ても似つかぬ物語をこの歌に聴きとり、とうとう弦楽四重奏を書くこととなったのだった。 「コノゴゼノ イヌヰノスミニ ツボナナツヤッツ チョウツンブリ サンサラナミ」 と一方が歌うと、その途中から唐突に、 「タッカシノ ヒノイデマシマス トウジンバラ ノケソ ヌカイソ」 と、もう一方が、相手の歌を、いわば掻き消すように歌う。 何か、決して聴かれてはならない秘密でも隠されているかのように・・・。 当の本庄地区ではかつて、集落の何処かの「戊亥の隅」に、浦島太郎の持ち帰った財宝が隠されているのではないか?と宝探しまで始まったことがある、という話を聞いた。 (それを聞き、私はふとミヒャエル・エンデの「遺産相続ゲーム」を連想したりもした。) そんな伝承や妄想、頭の中で繰り返される戊亥の歌に翻弄され、作曲している私の中ではいつしか、ウラシマの帰還と、彼をマレビトとして迎えた浦人達とを巡っての、揺れ動く「故郷」と「異郷」とを舞台に展開する、ミステリアスで少しパロディックな物語が始まっていた。 「ウラノマレビト」は、こうして完成した。 2003年11月、「京都・若い作曲家による連続作品展第30回」の中で、佐藤一紀(1st Vn)、中川敦史(2nd Vn)、増永雄記(Va)、石豊久(Vc)の各氏により京都コンサートホール小ホールにおいて初演された。 因みに、日本の伝統音楽には対位法が欠けている、といった類いの楽壇に巣食う誠しやかな通念や俗説を、私は端から相手にしない事にした。 Copyright(C)HIRANO Ichiro.All rights reserved.
by uramarebito
| 2005-11-21 06:40
| 作品
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Comments(2)
Commented
by
gaspard_n at 2005-11-22 21:27
「楽壇」にはいろいろな通念や俗説があるものですね。
「対位法」は、残念ながら師事していた先生から教わる時間が無く、ここ上海に来てしまったのが、ちょっと悔やまれます(貴殿の書かれている意味が正確にはわかりかねます)。かの武満徹氏も対位法を修めていなかったことを残念に思っていたと晩年ある記事に書いておられましたね。 にもかかわらず、私もここ二月ほどかかってピアノ曲を1曲ようやく書き上げました。
0
Commented
by
uramarebito at 2005-12-08 09:57
>gaspard-n様
ここではあくまで広義の対位法の意です。 狭義の対位法については・・・簡単には申し述べられませんが、 少なくとも、真っ当な(何をもって真っ当とするか、もまた大問題ですが)アカデミズムを経ない反アカデミズムは、不毛である、というのが私の考えではあります。
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