フルスコア完成のご報告からちょうどひと月、
児童合唱とオーケストラの為の新作、
出雲國の神話・伝承・風土に拠る連作
交響神樂 第三番
カガミノフネ
羅摩船
そのヴォーカルスコアが完成しました。
もとは46段のオーケストラ・スコア、これを通常2段、多くて数段に圧縮する作業は中々たいへんですが、今回はいつも以上に愉しんで。
打楽器セクションが特別に活躍する場面は、全体の雰囲気を伝えるべく、ガイドをふんだんに記しました。
…こうして視るとそうとう複雑なようですが、、
作品の内に入ってしまえば、実は何の事はない、誰しもが物心つく前から深く親しんだ世界。
第三番で文字通りの主役となるジュニア・コーラスは、無垢で素朴で不可思議で、ときどきなぜか懐かしい、様々な音声を発します。
こめつけ あわつけ
こめつけ あわつけ
こめつけ あわつけ
こめつけ あわつけ
こめつけ あわつけ
こめつけ あわつけ
こめつけ あわつけ
こめつけ あわつけ
こめつけ あわつけ
こめつけ あわつけ
こめつけ アワ・・
「コメツケ アワツケ」って何の事?って?
それは例えばアナタの近くのオキナやオウナなら、もしかするとご存知かも知れません。
でもそれだけじゃなく、こと交響神樂〈羅摩船〉(そして姉妹作〈鏡の国の歌遊び〉)の中では、その小宇宙にもぐりこむ為の、ヒラケゴマ風の合言葉でもあるのです。
* * *
さあこれから校正地獄、いや天国。
まずは関係者の皆々様、まもなくお手元に届くよう尽くしますので、どうぞお愉しみに!夏の名残の抜け殻ひとつ。(2011年9月26日、出雲國松江・小泉八雲旧居にて)
(c)HIRANO Ichirô 2017