柔らかな春の雨が続く折、皆様いかがお過ごしでしょうか?
2019年6月1日(土)17:00(開場16:30)大阪府大東市・サーティホールに於きまして
平野一郎×前田剛志
【時ノ祀リ 二〇一九】
四季・二十四氣・七十二候/音楽と美術による〈しつらへ〉と〈おこなひ〉
が開催の運びとなりました。
展覧の部は5/25〜6/2、5/26にはトークイベントも。前田剛志氏の『七十二候』全出品。
かたや演奏の部は6月1日ただ一日。“万象のざわめき、生まれ出づる歌”と題して…
様々に再演が重ねられ大きな反響をいただいてきた無伴奏女声独唱作品
《四季の四部作》
春の歌/夏の歌/秋の歌/冬の歌
と組み合わせ、実はほんじつ初稿スコアが完成、出来立てほやほやの弦楽四重奏の為の最新作、
《二十四氣》
が初演を迎えます。
春(立春/雨水/啓蟄/春分/清明/穀雨)
夏(立夏/小満/芒種/夏至/小暑/大暑)
秋(立秋/処暑/白露/秋分/寒露/霜降)
冬(立冬/小雪/大雪/冬至/小寒/大寒)
懼れ知らずにも彼の“弦聖”アントニオ・ヴィヴァルディへの東方からの三百年越しのレスポンスとして、四季・二十四氣・七十二候に満ち溢れる万象のざわめきを、四つの四重奏(4組曲・24楽章・72区分)72ページ丸一時間の持続、始まりと終わりがウロボロスの様に結ばれる円環の中に、しかと封じ籠めました。
女声はもちろん委嘱者にして触発者の吉川真澄氏。
弦楽四重奏は、飛ぶ鳥落とす勢いの実力派ZAZA quartet (佐藤一紀vn 谷本華子vn中田美穂va金子鈴太郎vc)の皆様をお迎えします。
もちろん当方も主催者の一翼。すごい演奏家達が結集する、おおきなオオキナ挑戦です。
お忙しい時期とは存じますが、万障お繰り合わせの上、ぜひぜひご来聴&ご高評賜りたく存じます。
今もまた、穿たれる「歴」と巡りゆく「暦」が軋みあっています。“永遠に現在する”すべての時を凝視めた詩人の言葉を傍らにして、後ろ向きに未来へと翔ぶクレー=ベンヤミンの歴史の天使と共に、喧騒の彼方の静寂に耳を澄ませようと思います。それでは素晴らしい五月を!
Time present and time past
Are both perhaps present intime future,
And time future contained intime past.
If all time is eternallypresent
All time is unredeemable.
〜T.S.ELIOT《Four Quartets》
今の時 昔の時は どちらとも
たぶん 未来に 現在し、
そして 昔の時はまた 未来を 内に蔵している。
もしも あらゆる時という時が 永遠に現在するのなら
あらゆる時は 贖(あがな)われ得ない。
〜T.S.エリオット《四つの四重奏曲》
平成末日令和前夜
平野 一郎