「あめのかよひ路」初演成就。
後半一曲、ひとときも弛まず全身全霊で没入して音楽と一体になる花岡操聖さんの音と姿が、箏の上の舞を観るように美しく。
身じろぎもせずしんしんと耳を澄ませてくださった満員のお客様と共にした30分間弱、微光に抱かれた別世界がありありと脳裏に残っています。
交響譚詩でご共演された恵璃さんの、自由でしなやかで、柔らかく包み込むような低音二十五絃箏の感触も忘れられません。
ゲネプロに伺った時の紀尾井ホールの空は雲ひとつない快晴だったのに、終演後地下鉄を降りるとザァァと雨が降ってきました。
水底から天空に届く二十五段をたしかに登り切った花岡さん、作品にとってこれ以上ない素晴らしい門出をありがとうございました。
階梯の天辺で先生に会えましたね。