雲の傘着る富士を眺めながら今月4度目の上京、待ちに待った「鬼の生活」日本初演を無事聴きとどけました。
一気呵成の「はしり鬼」から息つく間もなく奏でられた25分間。作曲者の想像を超えて、舘野さんの魔法のような左手から紡がれるのは、それはそれは不思議で痛切な世界でした。
手加減というものを知らない鬼たちの捨て身のユーモアが放つ、岩のようにゴツゴツとした音のエネルギーを全霊で受け止めて、隅々まで血を通わせて滔々と物語る舘野さんの姿は、もうクラシック音楽家という域を超えて、たとえばオグリを語る山鹿良之さんのような境地に達しているのでは?
終演後の席で「鬼たちに生命をもらってるんだ」と舘野さん。これから更に鬼たちを成長させてくださると確信。生みの親としてやんちゃな鬼たちの出発を見送り感無量です。
3月2日 自由が丘
3月5日 枚方
3月27日 松戸
5月28日 南相馬
6月4日 湖南市(滋賀)
各地で再演を重ねて、6月15日東京文化会館に戻ってくるとのこと。おこころづきの皆様、どこかで鬼たちの成長を聴き届けてください。
で、当方の身体の中では春を待ちきれない鬼たちが暴れ出して、続編「鬼の学校」の始業式がはじまりました。