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作曲家 平野一郎の世界 [西宮公演] 2007年8月23日(木) (財)青山財団助成公演 作曲家 平野一郎の世界 [京都公演] 2007年8月26日(日) 去る6月24日、三重県志摩市磯部町、伊雑宮(いざわのみや)の御田植祭を訪れた。 伊雑宮は伊勢神宮内宮の別宮で、志摩國一宮でもある古社。 地元では「イソベさん」とも呼び慣わされているそうだ。 祭礼の当日は、機材が水滴で停止する程の雨。 典型的な梅雨の霞の中、田の水と海の水と、空からの雨が融け合う伊勢路・志摩路の光景は、蕭然たる美しさを湛えていた。 祭は、伊雑宮への奉参者全員の参拝に始まる。 宮での式典を終えると、早苗を守護する神官達を先頭に、エブリ指(さし)の青年2人、田道人(たちど)の青年6人、早乙女(さおとめ)の少女6人、ササラ擦(すり)の少年2人、太鼓打の少年(童女の扮装)1人、さらに笛2人、太鼓(おど)1人、小鼓(こど)1人、謡6人の青年からなる大行列が、一行は御田への大行列を始める。 向かう先の御田の畦には、10メートルを超える竹で出来た大団扇「ゴンバウチワ」が据えられ、一行の到着を待っている。 ゴンバウチワをよく見ると、太一の文字の下に、御舟と呼ばれる帆掛け舟が描かれている。 行列が御田に到着すると早苗をかかげて祈祷が行われ、 しばらくすると、田道人と早乙女が手に手を取って御田に入り、苗場を三周半、ぐるぐると回り、苗取りが始まる。 その後、待ち受けた男達は一斉に御田に入り、泥だらけになりながら暴れ回る。 ここから竹取り神事が始まる。 田道人がゴンバウチワを杭から外し、ゆっくりと三度扇ぎ、 ついには御田の中央に向かって倒される。 男達は一斉に倒れた竹(ゴンバウチワ)を奪い合う。 そうしてようやくそれを担ぎ上げると、揃って御田から悠然と引き上げてゆく。 この後、ゴンバウチワを成していた竹の枝はもぎ取られ、漁民の大漁祈願や海上安全のお守りとなるそうである。 ところで、このゴンバウチワとそこに描かれた御船の絵は、七本鮫が背鰭を立てて伊雑宮へとお詣りにくる、という伝承を表したものでもある、という。(澤潔著『丹後半島の旅』(文理閣)参照) 大きな仕事を成した後の男達の矜りに溢れた表情、私は不意に青木繁の「海の幸」を連想した。 竹取神事が終わると、いよいよ御田植。 横一列に並んだ早乙女らが、囃子方の奏で唄うゆったりとした田楽の調べにあわせて、苗を御田に植えてゆく。 この時、太鼓打は田船と呼ばれる小さな船に乗っている。 海の向こうから渡来した稲作の来歴を物語るような、象徴的な光景である。 御田植はまず小謡九番とともに行われる。 続いてササラ擦の2人=おくわか、さいわかによる刺鳥差(さいとりさし)の舞を挟みつつ、さらに小謡九番をもって終了する。 御田植が終わると、午前中の神事は全て終了、午後の行事までしばし休憩となる。 午後三時頃、一行は伊雑宮の参道に行列をなして踊込みの出発を待つ。 合図とともに男達が、勇壮に道中歌を唄い始める。 エー シャントセ サアー めーでーたーめーでーたーのー オー おーんーたーをー うーーえーーてー サー おーどーり こーむーぞー や みーやーさーま アー えー サア エーイ エーエイ シャーントセ ・・・ (目出度目出度の御神田を植えて 踊り込むぞえ宮様へ) エブリ指の男達は杁(え)を地面に激しく打ち付けながら唄い踊る。 以下、田道人、早乙女、ササラ擦、太鼓打、それに囃子方からなる大行列は、しばしば中断を挟みつつも、次第に高揚の度を加えながら進み、 ついには伊雑宮の鳥居を潜って踊込みは最高潮を向かえるのである。 行列が境内に到着すると、ササラ擦と太鼓打の童子による納めの仕舞が行われ、 御田植祭はめでたく終了となった。 日本三大御田植祭の一つ、伊雑宮の御田植祭。 そこには、志摩の人々の大地や太陽への素朴な祈りと共に、伊勢信仰の遥か古層にある海の民の原風景が、稲作儀礼に覆われつつ不思議な光彩を放ちながら、今も確かに息づいていた。 ところで、5世紀に丹波(現・丹後)地方の海人が大挙して伊勢湾に移住した、という説があるそうな。5世紀と言えば、丹波から豊受大神が伊勢外宮に遷座したとされる頃。その背後には伊勢信仰の底辺を支える磯部氏の流れが関係しているともいう。(澤潔著:同上参照) こうした説が、充分な学問的検証を経たものとは言えないとしても、実際の祭礼や古い伝承を辿る者にとっては、通り一辺の無難な通説を超えて、時に奇妙な説得力を持つこともまた確かである。 元伊勢を祀る丹波の海民と、伊勢別宮を祀る志摩の海民。 ここにもまた、古代の靄の中に霞みつつ、伊勢を巡っての失われた真実が眠っているのかも知れない。 ©HIRANO Ichiro 2007
by uramarebito
| 2007-07-14 19:21
| 探訪
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